砂の器!

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映画「砂の器」は、松本清張の小説の僅か数行、


本浦千代吉はライ発病以後、

当時7歳の秀夫を連れて自分の業病をなおすために、

信仰をかねて遍路姿で流浪の旅を続ける…


のくだりを、

野村芳太郎監督、橋本忍山田洋次の両脚本により、

人間の宿命を、警視庁捜査会議室、

日本の四季を親子で放浪するシーンと宿命の演奏会場を重ねて

ドラマチックかつ美しく哀しく描いた胸熱く迫る感動作品である。

この映画の何が良いのか…

刑事である丹波哲郎森田健作も良いが、

駐在所の巡査役である緒形拳の献身的な姿が、ずば抜けて良い!


そして、丹波哲郎緒形拳加藤嘉との歴史に残る名シーンと台詞は秀逸である!


また、悲劇のヒロイン島田陽子の美しいこと…


主役は加藤剛であるが、映画館の主人役で何気に出演してる渥美清も良い味を出している。


業を背負って日本の四季を放浪する姿、差別や偏見、自己犠牲や献身的な愛。

保身や葛藤等の心の闇がえがかれ、「宿命」と共に熱い感動が押し寄せて来るのだ…


この映画は、四季のある日本に生まれて来て良かったと思える作品である。


原作では、電波で人を殺すみたいな文面が有るが映画ではカットしている。

私もカットして正解だと思う。


また、SMAP中居正広が主役で、テレビ版(現代版)「砂の器」が放送されたが、

放浪の理由をライ病から犯罪者にし、

また、戦争の有った時代背景だからこそえがけた感があり、

私としては納得いかない、消化不良の作品となってしまった。